北海道夕張市において、市のシンボルである映画および映画産業によって経済を活性化するための、具体的な事業プランを考えてください。

財政再建団体となった夕張市の現状は「他人事」ではない。
次世代への大いなる「宿題」ではないか―。
2006年9月29日、ある都市の財政破綻がニュースを騒がせました。
北海道夕張市。かつては炭鉱の街として栄え、1990年代からは石炭から観光へと産業の転換を図り、「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」の開催など、"メロンと映画の街"としてその名を知られたこの都市が、多額の負債をかかえ、自治体の財政破綻を意味する、「財政再建団体」入りを申請しました。
返済額は360億円をこえ、財政再建策においては、図書館、養護老人ホームなどの公共サービスの廃止や、下水道料金、市民税、保育料などの増額など、住民に対して生活不安に繋がるほどの多くの負担がのしかかる内容となっています。
今回の夕張市の破綻に対しては、箱モノ財政の推進、負債隠しなど、市行政の問題点を指摘する声が多く出されました。しかし一方で、国策事業として国の推進の元に設立された大手炭鉱会社の倒産に際し、市が多くの負債を背負わされたことや、国からの補助金の多くが公共事業を介し、大都市の大手建設会社に還元されてきた事実など、「夕張の問題は、日本の地方政治の抱える問題の縮図ではないか。」という見方も広がっています。
また、このように財政が破綻しかけている自治体は、水面下にあるものも含めて、相当数あるのではないか、という指摘もなされています。
現在の日本全体の借金は770兆円とも言われ、これを将来的には約1億3000万人の国民が負担しなければならないと言われています。夕張市の借金は600億円以上と言われ、現在の人口は約13000人、つまり、借金の額も負担する住民の数も、夕張を1万倍すると、それは日本の現状になる、とも考えられます。その点から、まさに夕張問題は日本の借金問題そのものであると言う声も高まっています。
私たちは、このような地方財政の問題が今後、次の世代、今の若い世代に否応無く降りかかってくると、強く懸念しております。そして、学生の皆さんに対して、"人助け"や"ボランティア"としてではなく、あえて自分たち自身の問題として、夕張市の現状に向き合い、柔軟なアイディアと熱意をもって解決に向けた方向性を導き出して頂きたいと考えております。
また、地域経済の活性化を図るにあたって、多くのアプローチが存在するとは存じますが、今回は具体的で、かつ夕張市にとっても、学生の皆さんにとっても大変身近なテーマとして、「映画」を取り上げさせて頂きました。
既に中止が決定している「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」は、石炭から観光へと産業を転換し、街を活性化することを目的に、市だけでなく国や北海道からも多くの資金、資源が投下され、"地域の誇り"として精神的にも市民の皆さんを支えてきた取り組みです。その実績やネームバリューから、今も夕張市にとって大切な資産であると私たちは考えています。
また一方で、これまでの夕張市にとって、「映画」は観光の目玉とはなってきたものの、事業スキームというよりも１つのイベントという領域に留まってしまい、「産業」にまでは発展することが出来なかった経緯があると思われます。
今回は、この「映画」というテーマにおいて、皆さんの新しい視点とアイディアにより、夕張市活性化の糸口となるプランを、考えていただければと存じます。

以下を参照の上、事業プランを立案し、A4サイズの紙面にまとめて下さい。
参考データ
事業プランを考えるにあたっての夕張市の基礎データおよび参考資料を、1月10日（水）に当サイト上にて発表致します。
必須事項
事業アイディアを考える上で、以下の点を明確にして下さい。
(1) 当該事業におけるA．ターゲット（顧客層）、B．顧客に提供する商品・サービス
(2) その事業が収益化（黒字化）するまでのプラン
活用材料
事業を考える上で、以下については活用できるものと想定します。
(1) 1000万円以内の初期費用
(2) "映画の街・夕張"としての実績の活用
(3) 「夕張国際学生映画祭」の活用
(4) 夕張中学校など、地元公共施設の活用（建物のみ）

第一次審査
応募書類をもとに、事務局にて審査させて頂きます。
全国5ブロック（九州、関西、東海、関東、東北・北海道）にて、各4チームが選出され、第二次審査に進みます。
結果は2月9日に公式ホームページ上にて発表させて頂きます。
第二次審査
応募書類をもとに、審査員によって審査させて頂きます。
各ブロックにおいて評価の高かった上位数チームが選出され、最終審査に進みます。
結果は2月16日に公式ホームページ上にて発表させて頂きます。
最終審査
2月27日に行われる『Students'コンセプション in 夕張』本戦にてプレゼンテーションをして頂きます。
当日のプレゼンテーションをもとに、審査員の協議によりグランプリを決定させて頂き、発表致します。

2007年2月2日（金）

夕張国際学生映画祭2007 Students' Conceptionチーム
〒060-0001
札幌市中央区北1条西18丁目2-1　アートサイドテラス803　株式会社ＧmobileEntertainment内
TEL.011-618-0666　FAX.011-618-0151　担当：小池

応募資格
大学・専門学校・各種スクールなどに就学している学生(学生証を持つ方／高校生以下は不可)
応募形式
以下の3つをご提出下さい。
(1) 記入済みの応募用紙 　ダウンロードはこちら
(2) 出題に対する回答（事業プラン）を記載した書類（A4サイズ）
(3) 出題に対する回答（事業プラン）のデータ（CD-R、またはDVDに保存）
応募規則
データ形式は問いません。対応OSはマイクロソフトWindowsを推奨します。
枚数・字数の制限なし。その他、イラスト、映像、音、模型等の利用制限なし。
プレゼンテーションの際は、マイクロソフトPowerPoint2000以上の使用を推奨します。
個人、チームどちらでの応募も可能です。
応募数は１人(グループ)につき１つまでとします。
応募の際にご提出いただいた資料は原則として返却いたしませんので予めご了承ください。
応募内容は応募者独自のアイデアでなくてはなりません。
応募者の皆様には、写真・肖像・経歴等の個人情報及び作品・作品の写し・紹介文等の作品関連情報の提供をお願いする事がありますので、予めご了承ください。

第一次審査を通過された各チームにつき1名様を『夕張国際学生映画祭』にご招待致します。